金融機関からの融資には、金融機関の種類によって、それぞれの特徴があります。各金融機関の融資に対するスタンスが大きく異なるからです。スタンスとはつまり、その金融機関が 「どのような企業への融資に注力しているのか?」ということになります。銀行から融資を受ける際にも、こういった特徴を把握しておくと、より交渉しやすくなることでしょう。
金融機関の特徴(資金調達・銀行対策サポートセンターより)
金融機関 | 書類 | 交渉のポイント |
メガバンク上位地方銀行 | 高い精度が要求される各銀行員の書類検証能力が高い | 資料を完璧にして理路整然とした説明が必要カードや積立に付き合っても評価につながりにくい |
その他地方銀行・信金・信組 | 各書類の提出で格段に評価が上がりやすい | 支店担当者との関係が重要支店長と直接話す機会を多く持つと評価も上がる |
政府系金融機関 | 書類を最も重視する将来の計画を重視する | 経営計画書を用いて将来の企業が良くなる姿を中心にアピール |
信用保証協会 | 企業のカタログ、現場の写真、商品の写真などを添付 | 実績に加え、融資後の改善姿勢を示す |
融資方法には4つの種類がある
あまり知られていないのですが、実は一口に「融資」といっても、4つの異なる種類があるのです。それぞれ、以下のようなメリット・デメリットがあります。
上手に使い分けることが、銀行と上手く付き合う“コツ”です。
- 証書貸付
「金銭消費貸借契約書」という契約書を銀行に差し出して受ける融資。返済期間は長期に渡るものが多い。 - 手形貸付
借入用の手形を銀行に差し入れ融資を受ける方法。返済期間は短期のものが多い。 - 手形割引
売上代金を手形で回収した場合、その手形を銀行が買い取ることによって資金が出される融資方法。 - 当座貸越
設定された融資の極度額までは、融資も返済も自由にできるという方法。
年々厳しくなる審査
金融機関では、「信用格付システム」と呼ばれる内部審査方式により、融資を申し込んでくる企業の事業内容・財務内容を分析して、 それを元に各社への融資可否を判断しています。 そこで、融資前に銀行対策を練るには、どの点を評価しているのかを知り、まずは自社分析してみる必要性があります。
この信用格付システムは「貸出の可否」「貸出枠」「金利」が決められる大事なシステムです。企業にとっての利害に大きく関わります。格付けには『正常先〜要注意先〜破綻先』までの10~15のランクがあり、5つの区分に分けられています。金融機関は「格付ランク」と「貸出金利」を連動させ貸倒れリスクに対応しているのです。